勾玉(まがたま)は古代の装飾品。
現代でもお守りやアクセサリーとして好まれています。
獣の骨や牙に穴をあけて作っていたものが時代によって
翡翠、メノウ、琥珀などの石で作られるようになったそうです。
ここでは、手磨きで勾玉を作る方法をご紹介します。
※今回は琥珀(アンバー)で作りました。
勾玉作りに適した天然石選び
手磨きで勾玉を作る場合、削りやすい石を選びましょう。
初めての場合は目安としてモース硬度3くらいまでがおすすめ。
硬いほど時間と労力が必要です。
参照:モース硬度で石の研磨のしやすさを知ろう
Amazon等で販売されている勾玉キットに付属している石には
「滑石(タルク)」がよく使われています。
滑石はモース硬度1で、最も柔らかい石に分類されます。
ちなみに、タルクの粉は化粧品に使われたり、紙を製造する際の品質向上に使われます。
勾玉の作り方
今回は琥珀(アンバー)のタンブルから勾玉を作ります。
琥珀は古代の針葉樹の樹液が化石化した柔らかい石です(モース硬度2~2.5)。
※削る作業では石の粉が舞わないように水で濡らした状態で研磨する湿式研磨にしましょう。
念のためマスクや必要があれば防護メガネをして作業することをおすすめします。
1、作りたい形にマーカーする。
勾玉の形の主な特徴は、
・丸く膨らんだところに穴がある
・しっぽのように細い部分がある
・Cまたはコの字のような形
※作られた時代によっては細長いものなど様々な形のものが出土されています。
自分の好みに自由にマーカーして作るのも楽しいです。
2,キリやドリル(ハンドリューター)などで穴をあける。
市販の勾玉キットはあらかじめ穴があけられているものが多いです。
※自分で穴をあける際には手を怪我しないように注意しましょう。
また、やり方や石によっては石が割れる場合もあるので気を付けましょう。
3,不要な部分をダイヤモンド棒やすりや粗目の耐水ペーパーで削る。
水で濡らしながらマーカーの枠に合わせて削っていきます。
ダイヤモンド棒やすりや#100などの粗目の耐水ペーパーで大まかにけずりましょう。
4,全体的に丸みを付ける。
枠に合わせて削れたら次は全体的に丸みを付けていきます。
削りすぎないように注意しましょう。
この時点では石にたくさん削り跡(傷)が付いていますがこの後の研磨で綺麗になります。
5,耐水ペーパーの粒度を中目~細目の順で磨く。
耐水ペーパーの粒度を細かくして光沢が出るまで磨きましょう。
今回は耐水ペーパーの#600、#1200、#1500、#2000、#3000、#5000の順番でしっかりと手磨きしました。(間をもう少し飛ばしても同じくらい綺麗になります)
どの程度こだわって磨くは自分次第。この時点でも十分きれいなので完成にしてもOK。
もし傷が目立つ場合は中目の耐水ペーパーに戻って磨き直しましょう。
6,研磨剤で仕上げ研磨
特に透明系の天然石をさらにこだわって磨く際には研磨剤を使用します。
研磨剤には酸化セリウムやダイヤモンドパウダーなどの粉末状の物のほかにペースト状の物もあります。今回は酸化セリウム粉末を水で溶いて布に付けて手磨きしました。
最初に開けた穴の中も爪楊枝に酸化セリウムを付けて磨くと穴の中も綺麗になります。
7,完成
透明感も出てピカピカになりました。
今回の琥珀は内包物が多めですが、これも個性。世界に一つの勾玉の完成です。
紐を通してネックレスやお守りストラップにするのもいいですね。
市販の勾玉キットは価格も安く、手に入りやすいのでぜひ挑戦してみてください。
(滑石の場合は耐水ペーパーで3段階くらい磨けば出来上がるので簡単です)