モース硬度で石の研磨のしやすさを知ろう

石の硬さを表す尺度の一つに「モース硬度」があります。
「標準鉱物とこすり合わせた時の傷の付きやすさ」を1~10段階で表します。
数字が大きくなるほど、傷つきづらくなります。
(ページ下部に表があります)

注意点としては、叩いて割れる硬さ(靭性)とは異なるということ。
※モース硬度10のダイヤモンドでも衝撃には弱い。

研磨では主に石の表面を磨く作業になるのでモース硬度が目安として使われます。

例えば、モース硬度1の滑石(タルク)はチョークや化粧品などにも使われている石です。
軽くこすっただけでも削れてくらい脆いので研磨には柔らかすぎます。

天然石手磨きでよく使われるフローライト。
透明でグリーンやパープルなどカラーバリエーションがある綺麗な石です。
フローライトのモース硬度は4なので、研磨のしやすい石と言えます。

フローライト研磨
フローライト研磨ビフォーアフター


逆に研磨しづらい代表的な石がダイヤモンドでモース硬度10。
コランダム(ルビー・サファイヤ)は9、トパーズは8になります。

宝石として価値(価格)の高いものはモース硬度が大きく、透明感のない石ほど、モース硬度が小さいイメージです。

モース硬度が大きくなると、手磨きで研磨するにはなかなか削れず、時間と根気が必要になります。それだけ磨けたときの達成感も大きくなります。

これから研磨を始める方は、モース硬度4前後の石がおすすめです。

モース硬度表(代表的な天然石)

以下の表は大まかな目安(小数点は切り捨て)です。同じ石でも硬度は異なる場合があります。

モース硬度主な天然石
モース硬度1滑石(タルク)
モース硬度2アンバー、セレナイト、クリソコラ、石膏
モース硬度3カルサイト、ハウライト、マラカイト、インカローズ(ロードクロサイト)、コーラル、エンジェライト、アズライト、セレスタイト、大理石
モース硬度4フローライト、カイヤナイト、ラリマー
モース硬度5ラピスラズリ、ターコイズ、ソーダライト、ロードナイト、オパール、オブシディアン、アパタイト、チャロアイト、オパール、スギライト
モース硬度6アマゾナイト、ラブラドライト、ユナカイト、サンストーン、カーネリアン、プレナイト、クンツァイト、アゲート、カルセドニー、ガーネット、ペリドット、ムーンストーン、タンザナイト
モース硬度7トルマリン、エメラルド、アクアマリン、ローズクォーツ、水晶、スモーキークォーツ、ルチルクォーツ、モルガナイト、アベンチュリン、オニキス、アメジスト、シトリン、タイガーアイ、ジャスパー、
モース硬度8トパーズ、スピネル、アレキサンドライト、クリソベリル
モース硬度9サファイヤ、ルビー
モース硬度10ダイヤモンド

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