天然石研磨というと原石から研磨していくイメージがありますが、
すでに宝石になっている石をリカット(再研磨)やポリッシュすることもできます。
ここではリカットと、ファセットカットを再研磨してバフトップ加工する方法をご紹介します。
宝石のリカットとポリッシュ
指輪やネックレスに留められた宝石は身に付けている時に
傷が付いたり、欠けることがありますが
リカット(再研磨)することで輝きを蘇らせることができます。
傷や欠けの状態によってはリカットするとサイズが小さくなる半面、
新しいデザインに変えることも可能です。
宝石が曇っていたり、くすんでいる場合はポリッシュするだけで、
大きさもほぼ変わらずきれいになります。
例えば、引き継いだジュエリーのデザインが古くて身に付けられない、
という場合にリカットやジュエリーのデザインを変えることで
想いはそのままに新しいジュエリーに生まれ変わります。
価格は高価でも腕が確かな宝石職人さん、宝石業者に依頼するのがベストです。
宝石にデザインカットするファンタジーカットという手法もあります。
ファンタジーの意味は「空想」「幻想」。
おもにファセットカットの裏面に切れ込みのようなカットを入れることで
複雑な反射を生み出し、幻想的かつ芸術的な輝きを放ちます。
日本の切子グラスのイメージです。
宝石彫刻家ベルント・ムンシュタイナー氏が発明したムンシュタイナーカットが有名です。
ファンタジーカットは日々、進化しています。
※使用できる画像がないため、興味のある方は検索してみてください。
バフトップ加工とは
ダイヤモンドのリカットやファンタジーカットは技術や専用のマシンが必要なので
素人や研磨を少しかじった程度ではできません。
しかし、ファセットカットを再研磨してできる「バフトップ加工」は簡単です。
![バフトップ加工 ファセットカット](https://tea-jewelry.com/wp-content/uploads/2022/12/バフトップ加工 ファセットカット-1024x1024.jpeg)
![バフトップ加工 ファセットカット 正面](https://tea-jewelry.com/wp-content/uploads/2022/12/バフトップ加工 ファセットカット 正面-1024x1024.jpeg)
バフトップ加工とは、
ファセットカットの表面側(クラウン側)をカボションカットのような山なりにする研磨方法です。
裏側(パビリオン側)は研磨せずにファセットカットのままなので、
表面側のうるっとした丸みのある柔らかい輝きと、
ファセットカットの幾何学的な輝きの両方を併せ持った宝石にすることができます。
バフトップ加工の研磨方法
1,ファセットカットの石をドップ棒に固定する。
小さなファセットカットは指で押さえて研磨するのが難しいのでドップ棒に固定します。
ファセットカットの裏側(パビリオン側)の中心に真っ直ぐに固定するのがポイントです。
![](https://tea-jewelry.com/wp-content/uploads/2022/12/バフトップ加工 ファセットカット ドップ棒-1024x1024.jpeg)
2,研磨機でクラウン側を山なりに荒研磨する。
バフトップ加工する石の硬さに合わせて少し粗目の研磨盤を使用します。
(画像のシトリンでは#600のダイヤモンドラップを使用)
ドップ棒を回しながら、なだらかになるように研磨します。
ファセットの平面部分が無くなり、均等に丸みが付いたら次の工程に進みます。
この時点では石の表面は白く傷ついた状態です。
![](https://tea-jewelry.com/wp-content/uploads/2022/12/バフトップ加工 荒研磨.jpeg)
3,中研磨、仕上げ研磨をする。
研磨盤を中目、細目と粒度を変えて研磨していくと段々と透明になります。
仕上げに研磨剤で研磨するとピカピカになります。
下の画像は中央部分がまだ十分に磨けていません。
![バフトップ加工 中研磨](https://tea-jewelry.com/wp-content/uploads/2022/12/バフトップ加工 中研磨-1024x1024.jpeg)
4,ドップ棒から外して完成。
![バフトップ加工 ファセットカット 正面](https://tea-jewelry.com/wp-content/uploads/2022/12/バフトップ加工 ファセットカット 正面-1024x1024.jpeg)
バフトップ加工体験を準備中です
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天然石手磨き体験から平面研磨機を使った研磨体験などお好みに合わせてお楽しみください。