ごつごつした原石を磨いていくと石がピカピカになっていきます。
形を整えた後に艶出しのコーティングで光沢を出している、
と思われるかもしれませんが研磨するだけでピカピカになるんです。
※割れやすい石には樹脂等で保護コーティングする方法もあります。
初めて自分で研磨すると「こんなに綺麗になるの!?」と多くの人が驚きます。
ここでは、天然石を研磨するとピカピカに輝くメカニズムをご紹介します。
原石から仕上げ(光沢出し)までの研磨の流れ
まずは荒研磨~中研磨で形を整える。
原石の不要な部分を切断したり削ったりしながら、自分が思い描く形に整える工程です。
硬度が高い石でなければ、ダイヤモンド棒ヤスリや粗目の耐水ペーパー(粒度#400~600など)を使って、手磨きでも研磨できます。
この時点で、ごつごつした部分が無くなりますが石の表面はガザガザです。
透明の石も不透明の石も大体、白っぽく表面が傷ついた状態になります。
大きな傷を小さな傷にしていくことで光る。
ガザガザの状態は、石に大きな傷がついている状態と言えます。
耐水ペーパーは粒度が大きくなるほど、細かいヤスリになっています。
上記の耐水ペーパー#400~600は粗目なので石に擦り付けると大きく削れます。
大きく削れる=大きな傷が付く。ということですね。
そこで、耐水ペーパーの粒度を段階的に上げて研磨していくと、傷がどんどん細かくなります。
具体的には#1200、#1500、#2000、#3000、#5000のように順番に研磨すると
傷がだんだん見えなくなり、透明度が上がって綺麗になっていきます。
順番に粒度を上げていくと綺麗に磨ける
もしかして、「#600の次は#5000でやったら早く研磨できるよね」と思いませんでしたか?
これは間違いです。
大きな傷をいきなり細かい粒度で研磨する場合、
時間が余計にかかったり、ほどんど削れないといったことになります。
また、粒度を順番に上げて研磨する時にも
「思ったよりきれいにならないな~」と感じることがあります。
そんな時は番手を遡って再度、研磨するときれいになります。
傷が目に見えないほど小さくなると光が反射して輝く
研磨する石によっては#2000や#3000くらいの段階でも、かなり光沢が出ます。
磨き足りない場合やこだわりたいときは#5000や#7000まで研磨します。
さらに研磨剤を使って磨くとビックリするくらいピカピカになります。
研磨剤は少量の水と合わせて、専用布や古布などに付け、石を拭くように磨いていきます。
ここまでで上手に研磨できると傷はもう肉眼では見えません。
石の表面に傷が無いということは、鏡のような状態になり、光が反射します。
これが石を研磨すると光沢が出てピカピカになるメカニズムです。
※光沢は石の表面の状態が一番影響しますが、宝石が綺麗に見える要素には、
光の反射のほかにも鉱物の成分、石の形状、
石の内部で光が反射、発散する屈折率などもあります。
耐水ペーパーはホームセンターで売っているので、ご自宅でも簡単に始められます。
新しい趣味としてもおすすめです!